EPISODE 98C Competizione

− 伝説の継承者 −8C Competizione (2007)

2000年以降のアルファ ロメオを象徴する本格スポーツカー、8C コンペティツィオーネ(Competizione)。そのヒストリーの幕あけは2003年。世界最大の自動車見本市、フランクフルト・モーターショーでコンセプトカーがベールを脱いだ時のことだ。

ヴォルフガング・エッガー率いるアルファ ロメオのデザインセンターであるチェントロ スティーレが手掛けた8C コンペティツィオーネのコンセプトモデルは、フランクフルト・モーターショーで好評を博し、その3年半後に市販化の決定が下された。

8C コンペティツィオーネの「8C」は、ヴィットリオ・ヤーノの設計による伝説のモデル、8Cシリーズに由来する。1930年代から40年代にル・マン24時間レースやミッレ・ミリアといった格式あるレースを制し、名声を獲得したマシンである。一方「コンペティツィオーネ」は、1950年のミッレ・ミリアでファン・マヌエル・ファンジオが駆った6C 2500 コンペティツィオーネに敬意を表し、引用したものである。

8C コンペティツィオーネはエンジンをフロントに縦置きし、6速シーケンシャル・トランスミッションをリアアクスルの前に配置したトランスアクスル・レイアウトを採用している。これにより前後49:51と理想的な重量配分を実現。さらにトラクションを最大限高めるべくリミテッドスリップデフが搭載された。

ステアリングコラムにはパドルシフトを備え、Sportモードでは175ミリセカンド(175/1,000秒)で変速を完了する素早いギアチェンジを可能とした。スチール製フレームに組み合わされるアウターパネルはすべてカーボンファイバー製で、スパルコ製シートのフレーム部分などインテリアにも部分的にカーボンが用いられた。

エンジンは、4,691ccの90°V型8気筒。ボア×ストロークは94mm×84.5mmで、可変バルブタイミング機構を搭載。最高出力は450hp/7,000rpmを発生した。軽量ボディと高出力エンジンの組み合わせにより、0-100km/hを4.2秒で加速し、最高速度は292km/hをマークした。

エンジン 90°V型8気筒
構造 軽合金製ブロック&シリンダーヘッド
排気量 4691cc
ボア×ストローク 94×84.5mm
バルブ形式 DOHC 可変バルブタイミング
バルブ数 気筒あたり4バルブ
圧縮比 11.2:1
燃料供給方式 電子制御インジェクション
冷却方式 水冷
オイル循環方式 ドライサンプ
最高出力 450hp/7000rpm
最大トルク 480Nm/4750rpm
トランスミッション 6速セミオートマチック
駆動方式 FR(後輪駆動)
ギア シーケンシャル 前進6段+後退
車体形状 クーペ
シャシー スチール構造
ボディ材質 カーボンファイバー
インストルメントパネル材質 カーボンファイバー
フロントサスペンション ダブルウイッシュボーン式
リアサスペンション ダブルウイッシュボーン式
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン式
燃料タンク容量 88ℓ
タイヤ(前/後) 前245/35R20 後285/35R20
ホイールベース 2646mm
前後トレッド 1590mm/1589mm
全長 4397mm
全幅 1892mm
全高 1340mm
車重 1575kg
最高速度 292km/h
生産台数 500台

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