アルファ ロメオの魅力を語っていただくオーナーインタビュー。待ち合わせの場所に現れた白のミト。スムーズに駐車して、さっそうと降り立ったのが今回お話を伺う石川直美さんだ。アルファ ロメオやミトを通じて、多くの友人、そして恋人と出会えたという石川さんにその魅力を訊いた。
一目惚れ
「父がクルマ好きで、車検の前にクルマを乗り換えるくらいでした」とお父様の影響もあり子供の頃からクルマ好きだった石川さん。人と違うクルマに乗りたいと免許を取ってから、コンパクトハッチバックやスポーティな2ドアクーペ、カブリオレ、そして、ミニバンなどに乗り継いだあと、ミトに出会った。
「子供の頃は、アルファ ロメオの名前は知りませんでしたが、“蛇が人を咥えている”エンブレムはとても印象に残っていましたし、格好良いと思っていました」とのことなので、まずはエンブレムから頭の中にアルファ ロメオが刻み込まれたようだ。
色々なクルマを乗り継いできた石川さんが、なぜミトを選んだのだろう。
「最初に知ったのはネットでした。ハッチバックで可愛いなと思ったのですが、そのときは買い替える予定がなかったので、あまり見ないようにしていました。欲しくなっちゃいますから」
しかし、前有車が車検で買い替えることになり、ネットでミトを検索。そこからの行動は早かった。
「ボディはビアンコ(白)で内装はレザーのナチュラルなカラー(ブラウン)が良くて探したらこのクルマが出てきたんです。そこでディーラーに電話をして即決しました。はい、クルマも見ずに。ディーラーからは“いつ見に来ますか?”といわれたのですが、こちらからは“いつ納車できますか?”って(笑)。本当はアルファ ロメオの誕生日(6月24日)に納車をしてもらおうと思ったのですが、都合がつかず6月30日になりました」とこだわりを見せる。
石川さんは、「自分もだいぶ大人になり、割とお金も自由に使えるようになったので、子供の頃から印象に残っているアルファ ロメオを買おうと思ったのです。それであればミトしかないなと。もともと一目惚れでしたし」と嬉しそうに教えてくれた。
ギャップに魅力
手元に来ておよそ5年。ミトは石川さんの生活に密着している。
「とにかくどこに行くにもミトと一緒で、毎日何かしら理由をつけて乗っています」とのこと。「本当に大好きで、乗り換える気にもなりません。もしどうしても乗り換えなければならなくなってもミトに乗ります。そのくらいミトが好きで、こんなにハマって好きなのは初めてぐらい」と石川さんは本当にミトが好きな様子だ。
そこまでの魅力は何だろう。「見た目は可愛いのにとても良く走ることですね。高速で飛ばすのも好きですし、ワインディングを走らせるのも好きです」と石川さんのドライビングスタイルにしっかりとミトは応えてくれているようだ。「アルファ ロメオの繋がりでクラブの人たちと一緒にツーリングなどにも行くのですが、女性なのでついてこないだろうと思われていたようです。でもしっかりとついていきました(笑)」というので、石川さんの言葉の端々からもコンパクトハッチバックとはいえ、アルファ ロメオの走りのDNAはしっかりと受け継がれていることが伺えた。
ミトを通じて彼氏と出会う
石川さんは大の犬好きで、特にミニチュアシュナウザーとトイプードルを3匹飼っていたこともある。そういった犬の集まりでミトに乗る友人と出会い、ミトの集まりやアルファ ロメオの集まりに積極的に出かけるようになる。特にミトの集まりでは、「たまたま隣に止まったのがいまの彼でした。初めてそういうクルマの集まりに行った時です。そこではこんなにミトがいっぱいいて、本当にただ並んでいるだけなのに楽しすぎました」と当時を振り返る。
そういった集まりを通じて様々なアルファ ロメオに出会った石川さん。
「やはりアルファ ロメオは格好良いですね。ミト以外のほかのクルマも素敵だと思いますし、仲良くなった女性でスパイダーに乗っている格好良い人もいます」とのこと。
さらに、「こういった集まりは、年齢の幅もいろいろなので本当に楽しい」と石川さん。いま、そこで知り合った友人たちと、「はらぺこトリオを結成しています」。石川さんの彼氏は豊橋にお住まいの遠距離恋愛だという。そこまで一度は行ってみたいとミトを駆って310km(ミトだ!)を一人で向かった。
「思ったより早く現地に着いてしまい、どうしようかなとインスタグラムでつぶやいたんです。そうしたら、その近くに住んでいるジュリエッタに乗っている23歳の男の子が、迎えに来てくれました。もう一人はミトに乗っている神奈川の学生で、ETCが届いたからアクアラインに乗って私の自宅のある千葉まで遊びに来てくれました。2人ともインスタグラムでは繋がっていましたが、そのときに会うのがそれぞれ初めてでした。普通は考えられませんよね。しかし、クルマが好きで、アルファ ロメオが好きという共通点があり、そして皆大食いだったのではらぺこトリオを結成したのです」と、アルファ ロメオが石川さんの交友関係を大きく広げたようだ。
さらに、アルファ ロメオ繋がりで知り合った方に石川さんがデザインした刺繍を施した洋服も作ってもらっているなど、「年齢も仕事も全く関係ないのですが、同じアルファ ロメオが好きなつながりで仲良くなっています。とても不思議ですよね。本当に色々な人と出会えて楽しい。アルファ ロメオに乗っていて、ミトに乗って良かった。いままでのクルマではそういうことはありませんでした」と本当に楽しそうにアルファ ロメオライフを語る。
▲石川さんがデザインし、同じアルファ ロメオ好きの方に依頼して制作したというアルファグッズ。
代官山蔦屋で開催されたアルファ ロメオ110周年記念イベントには彼と2台で参加した。石川さんのミトは白、彼のミトは黒の2台を並べて駐車したところ、ティツィアナ・アランプレセ FCAジャパン・マーケティング本部長に声を掛けられ「彼と貴女と2人ともミトに乗っているの? と驚かれました。そしてその場で一緒に写真を撮ってくれて、すぐにFacebookにアップしてくれました」とエピソードを披露してくれた。
▲代官山T-SITEにてFCAジャパン株式会社マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ氏と一緒に記念撮影。(写真提供:ティツィアナ・アランプレセ氏)
そんな石川さんは、アルファ ロメオ111周年記念グッズ開発チームにも参加。
「自分が欲しいと思うものを勝手に喋っています」というが、そのうちのいくつかは商品化に向けて開発が進んでいるようだ。
▲『アルファ ロメオ オリジナルグッズ 開発プロジェクト』ミーティング中の様子(撮影:Hisho Hamagami)
ここまでアルファ ロメオを、そしてミトを愛する石川さんにとってアルファ ロメオとはどんな存在なのだろう。「多分これからもずっと一緒にいると思いますので、実家みたいな感じでしょうか。いまはミトしか考えられませんが、将来、もしクルマを乗り換えることになったとしても、多分アルファ ロメオでしょうね。何でここまで毒されているのかは分からないけれど、とにかくアルファ ロメオが好きです」と述べる。
そして、「アルファ ロメオに染まって、毒が回ってしまっているのでアルファ ロメオしか見えなくなっているんです。アルファ ロメオに乗っている人たちからも、“正しい毒され方”をしているといわれます。本当に蛇に上手に噛まれたねと。でも自分でもなぜこんなにハマったのかよく分かりませんし、ここまで好きになるとは思ってもみませんでした」とコメントしてくれた。
アルファ ロメオフォトコンテストに選ばれたことが縁で、今回のインタビューに参加していただいた石川さん。iPhoneで写真を撮ることが好きで、これまでは犬を、いまはアルファ ロメオを一生懸命撮影している。残念ながら犬たちは虹の向こうへ旅立ってしまったが、石川さんはいま、アルファ ロメオとその友人たちに囲まれている。彼らとともに、ずっと石川さんはアルファ ロメオを愛し続けるに違いない。

▲『アルファ ロメオフォトコンテスト』に応募されたときのお写真(写真提供:石川直美さん)
Text:内田俊一(Shunichi Uchida)
Photos:安井宏充(weekend.)