red-dot-for-new-article2025.7.11
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今日いうところのZ世代であるマッテオさん。「同年代の友達の間でアルファ ロメオが話題にのぼることは少なかった」と赤裸々に語る。にもかかわらず、ブランドの最新モデルであるジュニアに惹かれ、手に入れてしまった理由とは?

写真の車両および数値は欧州仕様のものとなります。

01-1-1200x800 アルファ ロメオ ジュニアのあるライフスタイル、始まる Part 3 エンブレムに、やられました|マッテオ・ビアジーニさん

▲アルファ ロメオ ジュニアとマッテオ・ビアジーニさん。ガールフレンドのジュリアさんとともに。

家族の中にアルファ ロメオはあった。しかし…

マッテオ・ビアジーニさんは27歳。父がワインの貿易商社を経営する家に生まれたことから、早くから日本をはじめ各国を訪れ、見聞を広めたという。名門フィレンツェ大学建築学科の修士課程を修了後、現在はイタリアを代表する流通チェーンで店舗設計に従事…そうした“高スペック”に、とっつきにくい若者が登場するのかと思いきや、アレーゼ グレーのアルファ ロメオ ジュニアで現れたマッテオさんは、フレンドリーな好青年だった。ガールフレンドで高級デザイン家具メーカーに勤務するジュリアさんも一緒だ。

「振り返れば小さい頃から、家族のなかではアルファ ロメオは身近な存在でした」とマッテオさん。特に記憶に残っているのは、祖父が乗っていたアルファ ロメオ アルファスッド スプリントだったという。「もともとはオレンジ色だったんですが、後に赤に塗り替えました。だから家族で“フェラリーナ・ロッサ(赤い小さなフェラーリ)”って呼んでました」

マッテオさんは続ける。「父もジュリエッタと33に乗っていました。叔父もアルファスッドに乗っていた時期がありました。アルファ ロメオって、やはりイタリアらしさを象徴するブランドですよね。今も彼らは『スポーティで力強いクルマ』というイメージを思い浮かべるようです」

いっぽうで冷静な分析も欠かさない。「近年こそステルヴィオ、トナーレといった本来のアルファ ロメオらしさを取り戻したクルマが次々登場してきました。でも僕と同様、2000年代初頭に育った友人たちの間では、アルファ ロメオはあまり話題に上ることがありませんでした」。背景として、一時スポーティネスを強調したモデルが少なかったことがあるのでは、と彼は分析する。

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▲マッテオさんのジュニアはMHEVのイブリダ。フロントグリルにはAlfa Romeoロゴが走る「レジェンダ」デザインの仕様である。カラーは精悍なアレーゼ グレー。

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▲ガールフレンドのジュリアさんは優雅かつ、ミニマリズムを感じさせるジュニアのデザインがお気に入りだ。

気づかぬふりをしても、ダメだった

ゆえにマッテオさんも、当初はジュニアに関心がなかったという。発売当初ゆえ「広告も見たことがなかったし、まだ街中で見かけなかったこともありました」

ある日、乗っていた欧州の他社製コンパクトカーが長年の酷使に耐えかね、限界を迎えた。その時点に至っても、他ブランドのSUVが購入候補だったと告白する。

転機となったのは、子ども時代からの友人で、アルファ ロメオ正規ディーラーで働くフランチェスコさんのもとを訪れた日だった。マッテオさんは熱く振り返る。「彼のショールームにジュニアが展示してあって見た瞬間『何この車⁈ スタイリッシュじゃないか』って思いました。最初は気づかぬふりをしていたんですけど、もうダメでした。目がジュニアに戻っちゃうんですよね」

彼は興奮気味に続ける。「ジュニアは他車と明らかに違っていました。ボディラインの美しさ、洗練された佇まい、フロントフェイスの力強さ、メタリックグレーのボディカラー、そして花弁を模したデザインのホイール……すべてに目を奪われてしまいました」。ボディサイズも毎日使えて、どこへでも行けるコンパクトさだと直感したという。

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▲5ペターリ(花弁)のアルミホイールも、マッテオさんのお気に入りだ。

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▲セールスパーソンのフランチェスコさん(右)は、子ども時代からの友達である。

早速マッテオさんは、フランチェスコさんにテストドライブを申し込んだ。

「試乗した瞬間から、まさに“ひと目惚れ”ならぬ“ひと運転惚れ”状態でした。先に試していた例の他ブランドのSUVより断然走りが滑らかで静かでしたから」

しかし最終的な決め手が、ひとつあったと話す。「実はあのロゴなんです。ボディと同じグレーモノトーンのアルファ ロメオのエンブレムにやられたのです(笑)。些細なこだわりかもしれないけど、建築の仕事をしていると、自然とディテールに目が行ってしまうんです」

翌日、ジュリアさんを伴って再度ショールームを訪問。「女性の意見は尊重すべきですからね!」と説明するマッテオさんの横で、彼女は振り返る。「その日も彼は、展示車のジュニアに目を奪われっぱなしでした!」

彼女にご用心

かくしてマッテオさんいわく、財布的にはちょっと頑張ってジュニア イブリダの契約書にサインをした。感動は、納車されてからも続いたのだろうか?

「ベルベットのような手触りのステアリングホイール、車内の静けさ、そして控えめに響くハイブリッドの作動音まで、本当に品があります。にもかかわらず、アクセラレーターのペダルを踏み込んだ瞬間に『これぞアルファ ロメオ!』と感じさせる、ちょっと獰猛(どうもう)な性格を見せます。それが気持ちいいんです」

すなわちそれは、前述のような同世代が抱いてきたアルファ ロメオへの先入観を変えるものだったという。「祖父の“フェラリーナ・ロッサ”のようなブランドが本来もっていた美しさと力強さが、ジュニアではしっかりと蘇っていたのです」

お気に入りの装備として、マッテオさんは「フルマトリクスLEDヘッドライトシステム」を挙げる。「他車を感知して、照射する部分を自動でコントロールしてくれます。だから夜間走行で、ずっとハイビームのままでも対向車や先行車に眩しさを感じさせず、安心して運転できます」

ジュニアがやってきて、ライフスタイルに変化はあったか? という問いにも、マッテオさんは「劇的に変わったことはありません」と、まずは率直に答える。しかしそのあとに続いたのは、より詳細な分析だった。「余裕ある最低地上高のおかげで、ちょっと荒れた道にも気軽に入っていけるし、アイポイントが高いから視界も良くて安心感があります。だから自然と外出が増えましたね」

さらに「トレーニングにも使っていて、荷物もたくさん載るからすごく重宝しています」とも。聞けば以前はサッカー地域リーグの元・選手で、現在も同じクラブのチャリティー・メンバーとしてフィールドに週末立っているという。

ウィークデイには通勤にジュニアを使っている。「郊外からフィレンツェ中心部まで、往復で毎日約100kmは走ります。ですからMHEVシステムによる低燃費はとても助かります」

実はマッテオさん、以前の車時代からカープーリングを実践している、すなわち相乗りだ。イタリアでは持続可能性というワードが生まれる以前から、大都市を中心に試みられてきた省資源と渋滞回避の取り組みである。

彼の場合、途中で職場の同僚たちを拾い、合計5人でオフィスへと向かう。 「初めてジュニアで彼らの前に現れたとき、『なにこれ、カッコいいじゃない!』と興奮の渦が巻き起こりました。到着後も『ちょっと見せて!』と、みんなが群がってきましたね」。ジュニアは後部座席に3人乗車しても広くて快適と、評判が良いという。

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▲マッテオさんのアルバムから。サッカー地域リーグ選手時代の勇姿。

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▲仕事柄ディテールに目が行くというマッテオさんの審美眼にも、ジュニアは十分応えている。「アルフィスタの“先輩”である父も気に入り、とくに運転のしやすさに感動していました」と語る。

最後にジュニアで近い将来行ってみたい場所は?と尋ねると、「ちょっと険しい道に挑戦して、クルマ本来のポテンシャルを確かめてみたい気持ちがあります」と教えてくれた。そしてこう続けた。「正直に言うと、海辺のプロムナードを流すのも楽しそうです。すれ違う人たちが振り返ってくれるのが快感になるに違いありません」

ジュリアさんは、「優雅であるとともに、ミニマリズムの美しさを感じますね」とジュニアのスタイルを評価する。そう話す彼女の脇から、マッテオさんが割って入った。「彼女にとっても、ジュニアは意外に運転しやすいらしく、『ねえ、私の(ドイツ製コンパクトカー)と交換しようよ」なんて冗談とも本気ともとれることを言うものですから、困っちゃってます』

ジュニアとの新しい生活を始めた二人の笑い声は、ワイン畑が連なる丘に響いた。

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▲「アルファ ロメオの象徴スクデット(盾)周辺の、伝統を重んじるとともに整理された意匠が好ましいですね」と、マッテオさんは建築的視点で語る。

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▲イタリア屈指のワイン生産地・キャンティ地方に向かうワインディングで。「DNAドライブモードセレクターは、コースに応じて積極的に切り替えて楽しんでいます」

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▲「夢が許されるなら、いつかジャッポーネ(日本)をジュニアで走ってみたいですね」とマッテオさん。

Report & photo: 大矢アキオ ロレンツォ Akio Lorenzo OYA
Coordinate: 大矢麻里 Mari OYA
撮影協力: Melini – Gruppo Italiano Vini https://www.gruppoitalianovini.it/it/brand/melini

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