ガレージハウスのプロデュースを行なっているYUさん。クルマ好きなら憧れる、自宅のなかにクルマが溶け込んだ生活。しかし彼女のガレージハウスはそれのみならず、エアコンを完備した広大なガレージをはじめ、リビングからキッチン、寝室、そしてバスルームに至るまでがデザインや素材、ぬくもり感といった触感にまでこだわっており、家全体が居心地のいい空間に仕上げられているのだ。千葉県・木更津市に建てられたばかりの新しいガレージハウス「Casa garage Parc(カーサ ガラージュ パルク)」を見せてもらいながら、彼女のガレージハウスに込めたこだわり、そして愛車であるアルファ ロメオへの想いをうかがった。
原点はクルマ&バイク好きの気持ち
YUさんがガレージハウスをプロデュースするようになったきっかけを教えてもらえますか。
「私は長年、バイクとクルマを趣味としてきましたが、終の棲家を建てるなら愛車と共生できるガレージハウスにしたいという思いがずっとあったので一念発起して自宅にガレージをつくりました。その後コロナパンデミックによって対面の仕事が激減、暮らしや仕事を見直すきっかけが訪れて自分のガレージハウスのこだわりを仕事にしたいという想いが膨らんだのです。作り手が実際にクルマやバイク好きの立場なら住まい手の気持ちを考えられる素敵なガレージハウスになるのではないか。そんな思いから走り出した事業です」
YUさんにとってクルマはどのような存在でしょうか?
「クルマやバイクは単なる機械や移動手段ではなく、友だちや相棒のような存在です。特に愛車であるアルファ ロメオ 916スパイダーは走った時にフィードバックが返ってくるところや、私の意思をステアリングやアクセルを介して伝えるコミュニケーションがとても楽しいクルマです。時々新しいクルマに興味が湧いたりすることはあっても、今のアルファ ロメオ スパイダーを手放して乗り換える気には未だなれません」
アルファ ロメオとの出会いからクルマへの想いが強まり、ガレージハウスが欲しいという想いに繋がっていったのですね。
「そうですね。アルファ ロメオ スパイダーを所有したからこそ、雨風が凌げる屋根の下に置いておきたかったり、長く大事にしたいという思いが生まれ、ガレージハウスを作ろうという発想に繋がったところはあると思います。アルファ ロメオのように文化遺産ともいえるクルマは他に代えがきかないですし、生産が終了すれば手にできる台数も減っていくので大切に維持しなければ、と思います。こだわって手掛けた自動車メーカーさんの想いを未来へと繋げていくのは自動車博物館だけではなく、私達一般のユーザーでもできる。ガレージで大切にクルマを保管することがそうした活動の一助になれたらいいなと思っています」
ビンテージモデルを大切に保有するうえでガレージハウスは最適と思いますが、充電設備を備えるなど、最新モデルへの対応も整っていますね。
「今後、EVや PHEVの数が普及していく中で、様々な時代のニーズに応えられるように普通充電ではなく、1.2kWから最大で8kWまで出力できる高性能なウォールボックスを完備しましたので、トナーレ プラグインハイブリッドQ4も快適に充電できます。トナーレ プラグインハイブリッドQ4には何度が試乗したのですが、パワーもありますしサイズ感もちょうど良く、ハンドリングは俊敏でアルファ ロメオらしいドライビングプレジャーが受け継がれていると感じました。昨年イタリアに2週間ほど旅行で行った時にもトナーレを借りたんです。旅行用の大きな荷物も積むことができ、これなら将来家族が増えても安心して荷物を載せられると思いました」
YUさんがプロデュースされたガレージハウスもとてもおしゃれで、そこに住むと生活そのものがグレードアップしそうな予感がします。YUさんの理想とするカーライフや世界感について教えてください。
「自分のなかでは生活のグレードを上げたいというよりは、普段の何気ない日常や特に予定もない1日でも、幸せを感じられたらいいなと思います。リビングやガレージ、書斎など気分転換で過ごす場所を変えていき、自分を見つめ直す。そんな安らげる時間を住む方に提供したい。そんな想いがベースにあります。私自身、ガレージにいる時はアルファ ロメオ スパイダーのオイル量のチェックやバッテリーのチェック、バイクのカスタムなど、油くさいことも結構自分でやっているんです。ガレージのおかげで洗車したり、ボディを綺麗に磨いたりする時間も増えましたね」
アルファ ロメオのここが好きというポイントを教えてもらえますか?
「アルファ ロメオは、好きなところが多すぎて答えるのは難しいんですけど、アルファ ロメオにしか出せない空気感というのがあるような気がしています。アルファ ロメオのドライビングシートから見た景色は、なんだか彩度が高く見えるというか、いつもよりワクワクする景色に映るんです。私は足車というものを持たないようにしているんですが、日々の移動時間がさえもクルマとの愉しい時間であって欲しいと思ってます。今は仕事も増えてきたので休日ドライブに行くことが少なくなってしまいましたが。アルファ ロメオは、日常的に扱いやすい趣味性も兼ね備えたクルマなので私にはピッタリです」
ガレージハウスにしてもアルファ ロメオにしても、何気ない日常を豊かにしてくれる存在というところが似ていますね。そこでYUさんのガレージハウスに対する考え、コンセプトを改めて教えてください。
「“ノリモノにも人にも心地よい住まい”というのを意識しています。例えばこの物件の床はちゃんと木材を使用しており、本物の素材感や木の温もりを感じられると思います。単なる投資アパートではなく、住まい手ファーストでつくった注文住宅クオリティの高断熱・高気密ガレージハウスになっていると思います」
「ガレージハウスというのは、クルマ・バイク趣味人の家、と思われがちですが私はそれだけではないと思っています。たとえクルマ好きでない人でも、夏の暑い日には快適に乗り降りができたり、雨の日に買い物から帰ってきて濡れずに家に入れたりと色々な利点があり、日々の暮らしが快適に感じられると思っています。だからより多くの方にガレージハウスの魅力を知っていただきたいと思っています」
居住空間の素材や色、匂いまでこだわっているとのことですが、その判断基準というのは、YUさんがご自身で住みたいと思う家なのでしょうか。
「言葉にするとそうなりますね。私がプロデュースしたガレージは、実際に私のガレージに似てるねと言ってもらうことがあります。やはり自分の好みが入っていると思います。ただその一方で、自分の好みに偏りすぎないよう、いろんなものを見て日々勉強するように心掛けています。ガレージハウスのプロデュースのお仕事をするようになってから、街のさまざまな景色に目がいくようになりました。そうした視点を持つと世の中すべてが新たな発見のように喜びを感じるようになりました(笑)」
ご自身も実際にガレージハウスに住まわれて、リビングなどからクルマが見えたりすると思いますが、それによって日常にどんな変化がありましたか?
「クルマやバイクを眺める時間が増えましたし、ガレージでちょこっとコーヒーを飲むとかパソコンを持ってきて仕事をするとか、そんな時間を楽しむ機会が増えました。家とガレージの垣根がない暮らしというか、どんどんガレージに寄った生活になっている気がします(笑)。以前はクルマというのは、乗ってナンボだと思ってましたが、ガレージハウスに住むようになってからはクルマに乗らない時間も大切になりました。愛車を愛でたり、自分のお気に入りのギアやアイテムに囲まれた空間を愉しんでいます」
すでに十分素敵なガレージハウスをプロデュースされていますが、今後のビジョンや実現したいことはありますか?
「今後、手掛けていくガレージハウスについても住まい手のことを考えた空間作りを目指していけたらと思っています。賃貸ガレージを普及していないエリアにはどんどん広めていきたいですし、戸建てであれば庭にガレージを増設するといったこともできます。本当に色々なガレージのあり方があると思うんです。自分の積み上げたノウハウをどんどん詰め込んでいき、より多くの方々が幸せになれるガレージライフが作れたらと思います」
彼女を突き動かしているのはクルマ&バイク愛であり、原点にあるのは愛車のアルファ スパイダーの存在だった。彼女のガレージハウスに注ぐ情熱は、揺るぎない目的をもって前進している。
Profile
YU(ゆう)
ガレージのデザイン・プロデュース会社 Casa Garage(カーサ・ガラージュ)を設立。
https://casagarage.jp
YouTube(愛車のある暮らし/YU.SR500)https://www.youtube.com/c/YUTube123/ で日々の暮らしを発信中。クルマ、バイク、真空管アンプ、オールドレンズ、Smithsの機械式メーター……etc. オールド物に目がない至って普通の女子。