前回ご好評いただいたMade in Italy キャンペーンの第2弾では、北イタリア・フェラーラ発祥の人気ブランド『Felisi(フェリージ)』とのコラボレーションが実現。機能的でありながら洗練された、イタリアならではの美意識と伝統が宿るフェリージのプロダクトは、50年の歴史に裏打ちされた確かなものづくりで世界を魅了し続けています。今回は、日本国内でのブランド展開を行なう株式会社ユニオンゲートグループ・Felisiカンパニー商品部WS営業グループの岡安 勲氏にご登場いただき、『フェリージ』の魅力と、そのルーツにある“Made in Italy”のスピリットに迫ります。
イタリア独自の美意識を生み出す歴史と『フェリージ』のルーツ
1973年、北イタリアに位置する歴史と芸術の小都市・フェラーラで誕生した『フェリージ』。伝統工芸の革製馬具づくりに魅了された創業者のアンナ・リザ・フェローニ氏が、フェラーラ旧市街の一画に構えた小さな革工房からブランドの歴史は始まりました。
ヨーロッパで初めて計画的に整備された街として知られ、ルネッサンス期の建物が多く残ることから世界遺産にも登録されているフェラーラ。14世紀に北イタリアで花開いたルネッサンス文化は、芸術や建築のみならずファッション史にも多大な影響をもたらしました。フェラーラからほど近い、ルネッサンス期の中心地・フィレンツェでは、経済的繁栄に伴い富裕な市民階級が誕生。彼らが寄せた“装い”への大きな関心がファッションに発展、のちに『モード(フランス語)』の語源となった“モーダ”という言葉が生まれたのだとか。
モードの中心地がパリに移り、オートクチュールが全盛期を迎えるまでの過程にイタリアから織物・レース・刺繍といった繊維素材の多くが供給されていたという背景からも、イタリアの人々の美的感覚と繊細な手仕事の技術が長きにわたり磨かれてきたことがわかります。また、近代に入りフランスとイタリアで起きたプレタポルテ(高級既製服)の生産システムを確立したのは、デザイナーを取り囲むものづくりのネットワークを有する北イタリアでした。
そうした歴史のある北イタリアのフェラーラで“Oggetto unico(ただひとつの存在)”をフィロソフィーに掲げ、厳選された素材のみを使用し細部にまでこだわった唯一無二のものづくりを追求し続けている『フェリージ』。製品に刻まれた中世から伝わるフェリージ家の紋章には、親から子へと受け継がれる友情や正義、純粋さ、高貴さ、そして誠実さへの願いが込められています。
「『フェリージ』の製品の魅力のひとつに“変わらない良さ”があると考えています。いつの時代どんな場所にも『これを持っていれば大丈夫』と思わせてくれる安心感がある。トレンドに左右されない独自性と細部にまでこだわりを追求したものづくりが愛される理由なのだと感じています(岡安氏)」
妥協なきこだわりと情熱、探究心が生み出す“Made in Italy”
普遍的かつ洗練されたデザインと機能性、そして世代を越えて愛用できるほどの頑丈さ。それらを叶える重要な要素のひとつが、徹底した素材へのこだわりです。革をはじめとする布地や金具などは、最高級のものを厳選。イタリア・トスカーナ地方伝統のバケッタ製法で自然素材のタンニンを使ってなめされたレザーは、世界でも一握りのブランドにしか手に入れることが出来ない希少な素材です。数百種類にものぼる金具の多くは、伝統的な方法で鋳型に流し込まれた真鍮(しんちゅう)製。上品で優しい光沢を持つ独特の風合いに仕上げられています。また、『フェリージ』では創業当時から、異なる質感の革やコットンキャンバスなどを取り入れたデザインを探求してきました。なかでもナイロンとレザーの洗練された高機能なコンビネーションは、ブランドを象徴する組み合わせです。
創業当時から受け継がれてきた素材への探求心。そして、製作過程にも妥協はありません。モデルごとにパーツひとつひとつの抜き型を作成し、革を裁断。革の厚み調整からエッジの面取り、磨き処理、縫い針を通すための穴開け、そして芯地による立体感の演出などもすべて手作業で行われています。それらすべてが熟練した職人の感覚があってこそ為せる技。そしてその職人のほとんどが女性であることも『フェリージ』の特筆すべき個性です。
「現在『フェリージ』には職人を含めて50名ほどが在籍していますが、そのうち98%が女性です。これは私自身が男性だからこそ感じることでもありますが、女性ならではのきめ細やかさや柔らかさが佇まいに表れているなと。キワの部分もすごく薄くきれいに縫われていますし、ステッチも細かいところまでかけられています。そうしたぬくもりと想いが製品を通じてお客さまにも伝わっているのではないかな、と思っています(岡安氏)」
想いが宿るからこそ長く愛される、人生に重なるものづくり
『フェリージ』が日本国内での展開をスタートしたのは、30年ほど前のこと。旅行用のボストンバッグなどが主軸のヨーロッパに対し、日本ではビジネスバッグをメインに支持を高めてきました。これまでにいただいた数々のフィードバックのなかには「愛着のあるものを長く使ってほしい」という創業当時から変わらない想いに重なる、お客さまのストーリーもあるそうです。
「お客さまからいただくお声としてとくに多いのは、『丈夫で長く使える』というご感想。『フェリージ』の製品は修理にも対応しています。たとえば十年前に使っていたバッグのハンドルを換えたいといったご要望にも応じることが可能です。先日も修理のご依頼をいただいたのですが、そのお客さまがお持ちになられたのはビジネスバッグ。奥さまからご結婚前にプレゼントされた十年以上使い続けているものだそうです。日常的に使うなかで、どうしてもヘタってしまっている部分があるということで、レザーのトリミングやハンドルの交換をさせていただくことになりました。ただ、修理の場合は一度すべて解いたり同じ針穴に糸を通さないといけなかったりと非常に難しい作業になるので、箇所によっては新品が購入できるくらい費用がかかることもあります。しかし、そのお客さまは『たとえいくらかかっても妻からもらったこのバッグを一生使い続けていきたい』と。ブランドのものづくりの姿勢を信頼していただいていることが感じられて大変嬉しくなりました(岡安氏) 」
Made in Italy キャンペーンのプレゼント紹介
15/50/LD+DS(トートバッグ)/カラー:TURTLE DOVE×ROPE
柔らかなイタリア製シュリンクレザーにシルクのような光沢と鮮やかな発色が魅力のナイロン生地を組み合わせた『フェリージ』の定番モデル。ノートPCも入るサイズ感のトートバッグは、2015年に発表された定番モデルをリサイズしたロングセラーアイテム。内部のストラップを閉じることでフォルムを変えられるようになっています。ストラップを使わないときに中で邪魔にならないよう中底にはストラップ用の留め具が。こうした、気の利いたパーツ使いに表れるこだわりも『フェリージ』らしいポイントです。
17/20/3/LD+DS(ハンドバッグ)/カラー:ROASTED×ROASTED
豊かな発色と柔らかな手触りが特徴のソフトキップレザーを採用した、ゴールドのハトメが目を引く小ぶりなハンドバッグです。男女問わず愛用できるデザインは『フェリージ』の特徴のひとつ。なかでもこのバッグは最近男性からの人気が高まっており、先日開催したメンズ百貨店のポップアップストアで好評を得たそう。レザーハンドルを伸ばせば肩がけになる2wayデザイン。ぎゅっと絞れば最近のトレンドでもある巾着のようなデザインも楽しむことができます。
1142/AP(ショルダーケース)/カラー:BLACK・BROWN・WHITE・INDIGO
斜めがけにして小ぶりのバッグ感覚で使用できるショルダーケース。格子状の模様が特徴的なアンテロープ(主にアフリカに生息するカモシカの一種)革の型押しを施したカーフレザーに軽量仕上げのレシピを採用し、ナイロンに近い使い心地を実現。スマホレザーストラップにはアジャスターではなくより手軽に長さ調整が出来る穴空け式を採用。この使い心地の良さとデザイン性の絶妙なバランスが『フェリージ』らしさ。フロントにさりげなく刻印されたブランドネームがアクセントになっています。
アルファ ロメオと『フェリージ』、共通する“Made in Italy”のスピリット
創業から50年、職人による熟練の伝統技術と丁寧な手作業によって生み出される製品には、“どの時代においても愛され、親から子に受け継がれるようなものづくり”と“本物にこだわり誠実であること”という理念が宿っています。最後にイタリア独自の美的感覚とプロダクトに注ぐ情熱、“Made in Italy”のスピリットについて語っていただきました。
「アルファ ロメオといえば、洗練されたイメージ。そして、大人の冒険心をくすぐるクルマという印象があります。我々のファッション業界にもオーナーが多くいらっしゃいますし、実は弊社の先代社長が大のクルマ好きでアルファ ロメオを数台所有しておりました。所有者のこだわりに応えてくれるだけの情熱が込められているという点は、アルファ ロメオと『フェリージ』の共通点といえるのかもしれません。今回のキャンペーンを通じて、ドライブを楽しむ時間の中に『フェリージ』のバッグがあることでより気分が高揚するような、ライフスタイルの一部になれると大変嬉しいなと思います(岡安氏)」
【INFORMATION】
フェリージ 表参道ヒルズ店
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 本館2F
TEL:03-6459-2376
定休日:表参道ヒルズ営業時間に準ずる
Text: | 野中ミサキ(NaNo.works) |
Photo: | 大石隼土 |