2021.12.7
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2021年11月、白樺湖と八ヶ岳でグランドオープンを迎えた、『SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)』。“Live with nature. / 自然と共に生きる。”をコンセプトに、ライフスタイルブランド・SANUがゼロから立ち上げたセカンドホーム・サブスクリプションサービスだ。深まる秋に木々が色づく11月初旬、まだ見ぬ“もうひとつの我が家”を目指し、八ヶ岳南麓へ向けて『STELVIO 2.0 TURBO Q4 VELOCE(ステルヴィオ 2.0 ターボ Q4 ヴェローチェ)』を走らせた。

20211106_alfa-0099 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。

都市と自然を行き来する、そのための拠点=SANU 2nd Home

20211106_alfa-0076 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。

“自然の中で生活を営むためのもう一つの家”を提供する、セカンドホーム・サブスクリプションサービス SANU 2nd Home。この11月、第一弾として八ケ岳連峰最北端の蓼科山のふもとに位置する白樺湖の畔に『白樺湖1st』、八ケ岳南麓に位置する山梨県北杜市大泉町に『八ヶ岳1st』をオープン。2022年春までには、さらに5拠点45棟のオープンも決定している。なお、サービス開始に先駆けて行われた会員募集で、初期会員への抽選枠はすでに完売。現在は、拠点拡大に伴う会員枠増につき、ウェイティング登録を受付中。取材時点でおよそ1,000人以上が入会を希望しているということからも本サービスへの注目度の高さが伺える。

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▲SANU CABIN

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▲Renovation Cabin

本事業を手がけるのは、人と自然が共生する社会の実現を目指すライフスタイルブランド・SANU。McKinsey&Companyにてクリーンエネルギー事業に従事した経験を持つブランドCEO・福島 弦氏と、『K5(東京・日本橋)』をはじめ、独創的なコンセプトホテルのプロデュース・運営を多数手がけた本間貴裕氏の2人を中心に立ち上げられたSANUは、美しい自然の中での生活拠点を提供することで人々のライフスタイルに変化をもたらし、ひいては人と自然が共生する社会の実現に寄与することを目指している。

DSCF3698-2 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。
▲左;福島弦氏/右:本間貴裕氏 © Sayuri Murooka

北海道・岩見沢市で生まれた福島氏と、福島県の会津若松で育った本間氏。「山中に通うことを日常としてきた私たちが自然にまつわる仕事をしたいと考えることは必然だった」と、ファウンダー兼ブランドディレクターを務める本間氏は語る。自分たちを育ててくれた自然を守りたい、そのために出来ることはなにか。そこから導き出したひとつの答えがSANU 2nd Homeだったという。本事業の発案からリリースまでに要した時間は、およそ1年4ヶ月。明確なビジョンと強い思いが初速を勢いづけた。

20211105_alfa-0011 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。
▲SANU CABIN 室内

20211105_alfa-0017−0016 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。
▲自然界や人の耳、動物の体のつくりなどから着想を得たという内観デザイン。快適な滞在拠点としての役割を果たすと同時に、自分もまた自然の一部であることを再認識させてくれる。

「SANU 2nd Homeとは、これまで出会えなかった景色や素晴らしい自然への入り口、またはベースという言い方もできるかもしれません。私自身、まだ出会えていない景色がたくさんあることにもったいなさを感じ、『自然の中にもうひとつ自分の家があれば』という理想を抱いていました。さらにもう少し広義からSANUを紐解くとすれば、消費資本主義において人間が動けば動くほど自然環境が壊れていくというループに入ってしまっている中で、私たちは人間の活動によって環境にプラスのインパクトを与えていきたいと考えています。昔、村に住む人たちが生活の糧を得るための里山をメンテナンスし続けていたように、人の営みが森や海にとって良い影響をもたらすことは不可能ではありません。美しい自然に出会い、自然を愛する人を増やしていく。そこで芽生えた意識やライフスタイルの変化を自然との共生につなげていこうというのが、SANU 2nd Homeの役割です(本間氏)」

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「過密する都市で豊かな自然に触れることの難しさを体感するとともに、昨今のキャンプブームなどからも『都市に住む人こそ自然を求めているのでは』と心の奥底で感じていました。実際、本サービス開始前の段階で幸いなことにたくさんの反響をいただき、自然の中での暮らしを体験したいというニーズがしっかりあると実感しています。その先でさらに広げていきたいのは、気候変動など環境危機への理解です。普段都市生活で行なっている環境への取り組みが実際どこにつながっているのか、その本質を体験する機会をSANU 2nd Homeを通して広げていきたいと思っています(福島氏)」

20211106_alfa-0087 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。
▲Renovation Cabin ミーティングルーム

観光やサービスだけに頼らない、発見と愛着に満ちあふれた滞在

20211105_alfa-0042 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。

SANUがセカンドホーム・サブスクリプションサービスの拠点を構える場所には、3つの明確な選定基準があるという。ひとつ目は、アクセスが良い場所。いずれの拠点も都心から1.5時間〜3時間以内に位置している。2つ目は、その地域で生活をするためのベースとなる商店や地元の方の営みが垣間見える飲食店などが近隣にあること。そして最も重要な3つ目の基準は、土地そのものが魅力的であること。足を踏み入れた時に“気持ちがいい”と感じられるか、自分のもうひとつ家がここにあったら嬉しいと思えるか。そうした“生活すること”を前提とした拠点選びは、観光スポットやお金で買うサービスだけに頼らない、発見と愛着に満ちあふれた滞在を叶えてくれる。

20211106_alfa-0073 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。

「よく福島と『消費者ではなく生活者でありたいね』と話しているのですが、生活者の定義のひとつに、『楽しみを自分で見出す』という視点があると思っています。都市の生活ではなにかとお金を払った対価として楽しさを得るというところがありますが、自然の中では楽しさを自分で作ることが出来るんです。お金と交換して得る楽しさではなく生活をしながら自分でその土地なりの楽しさを少しずつ発見し続けていくことは、サービスを買うよりもむしろリッチで贅沢な体験だと私たちは考えています(本間氏)」

「我々が提供するのは、断崖絶壁の孤島や非日常の自然ではなく、自然に寄り添う生活。特に、衣食住の『食』はすごく重要で、今回ご滞在いただいた八ヶ岳の南麓エリアにはその奥深さがあります。秋には香り豊かなキノコを、春には瑞々しい葉物を自分の手で調理して食べる。北杜市には世界的に有名なナチュールワインの作り手の方もいらっしゃるので、そういう地の酒をゆっくりと味わう。また、アートの世界も北杜市特有の魅力です。自然から受けたインスピレーションを基にアーティストたちが自己表現をしている。そうした自然と人の営みの中で行われる創作活動も含めて、“Live with nature”を楽しんでいただきたいと思っています(福島氏)」

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▲パチパチと薪が燃える音を聴きながら過ごす静かな夜もSANU 2nd Homeでオススメしたい過ごし方。Renovation Cabinには暖炉が、SANU CABINの外には焚き火台も設置されている。

森と人とをつなぐ、“Live with nature”を建築で体現する

人間の活動によって、環境にプラスのインパクトをもたらす。そうしたヴィジョンを掲げる一方で、SANUは年間100棟にのぼる拠点の建築を予定している。自然を守る取り組みの一環として、木を切り、自然の中に建物を新築する――。一聴すると矛盾を感じてしまう話だが、SANU が目指すのは資源の循環で森を育成する“Live with nature”を体現した建築だ。

20211105_alfa-0008 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。

「なぜ我々が新築という選択をしているのか。その理由のひとつは、快適な環境で自然を楽しんでもらうため。既存の建築物が廃墟と化してしまっている以上、自然の中での暮らしを楽しみにしてくださっている方々のためにもキャビンを建て続ける必要があります。そしてもうひとつの理由が、森を循環させるため。樹齢50〜70年の老木をキャビンの建材として使い、同じ本数分CO2をたくさん吸ってくれる若い木を植えていく。つまり、キャビンを建てれば建てるほど、森が豊かになっていくんです。これはバブル期の超大型開発というものに対する完全なるアンチテーゼであり、僕らはサステナビリティという言葉を超えたいと思っています(福島氏)」

SANU 2nd Homeのアイコンである『SANU CABIN』の建築設計・施工を務めたのは、“森と生きる”を理念に、木の特色を活かした建築手がける建築・設計事務所ADX。SANU 2nd Homeマスターアーキテクトを務める同社代表の安齋好太郎氏は、自然と調和する建築の在り方についてこう語る。

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「SANU 2nd Homeが拠点を置くのは、どこも本当に自然豊かで美しい場所。建築物は何十年と遺る強い力を持っているので、自然に対して『片隅にお邪魔させてください』という礼儀をもって在りたいと考えています。例えばSANU CABINは、コンクリートを一切使わず 6本の鉄の杭を使った高床式にすることで、もともと生息していた動物や草木への影響を最小限に抑え、かつ風通しと景観の良い安心感のある建築を目指しました。生態系を支配してしまうのではなく、SANUと私たちの共通理念である『自然と人を繋げるものづくりをする』という約束のもと、見えない握手をしっかり交わして建築を造っています(安齋氏)」

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SANU CABINの構造を支えるのは、岩手県釜石の森で育ったスギの木。「日に日に表情を変えていく木の色や質感は、この場所に歴史があるという証明であり、そこに人が存在したことを伝えてくれる魔法のようなもの。そこに物語が存在するような建築を作るうえで、今よりも5年後が美しいと思えるものを選んでいる」と安齋氏は言う。室内の曲面壁にも使われているこの建材はひとつひとつが伐採地〜加工までを一貫して認識出来るアドレスを持ち、必要であれば解体しプラモデルのように組み立て直すことも可能。設計し組み立てる建築作業の前後にある生産過程やそこに携わる人々の存在にフォーカスすることは、新しい試みだったという。

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▲キャビン内には曲面壁を採用。障子や襖から得たインスピレーションを基に、それぞれのスペースを区切る目隠しの役割を果たしつつ光や音を感じられる造りになっている。

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「野菜なんかもそうですが、名付け親や育った場所がわかった瞬間に、愛着が湧くんですよね。建築も同じことだと思っていて、誰かがちゃんと手をかけて作っている。そこをちゃんと可視化することで、伝わるものがあるんじゃないかと思っています。一方で今回SANU CABINを造るにあたって難しいと感じたのが、ちょっと先の未来にどう繋いでいくのかということ。建築というのは、必ずメンテナンスが必要ですし、次の世代にバトンを渡す時期があります。そのときに接着剤でどうしようもなくなったような建築素材を譲り受けたとしても誰も嬉しくない。『まだ、こんな使い道があるよ』とちゃんと示してあげられる建築を遺すことは、自然を守ることにも繋がっていくと信じて取り組んでいます。今後、生産者や施工主の声を積極的にフォローしながら、自然と対話し、同じ建築を100棟200棟と造っていく中でアップデートを重ね、SANU CABINは間違いなく美しいものへと進化していきます(安齋氏)」

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セカンドホームがスタンダードになる未来を目指して

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▲キャビンには自然の中で挽きたてを味わえる道具一式を用意。提供する豆は、東京・奥沢にあるコーヒースタンド・ONIBUS COFFEEセレクトの『エチオピア シングルオリジン』。

風に揺れる木々を眺めながら、音楽を聴く。焚き火台に薪を焼べ、道の駅で買った食材を囲む。鳥がさえずる朝靄のテラスで、淹れたてのコーヒーを飲む――。都市の利便性と自然の営みとの合間にあるSANU 2nd Homeでの生活は、数や量では測ることのできない幸福感に満ちている。

20211105_alfa-0019 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。
▲寝具には、ヨネバヤシリースがプロデュースするsinsoのリネンを採用。洗いざらしの心地よい風合いが自然の中での休息のひと時をより充実させてくれる。

今後、さらなる拡大を目指すSANU 2nd Home。福島氏は、「そう遠くない未来、セカンドホームが日本国内のニュースタンダードになる」と胸を叩く。

「今はとにかく、待ってくださっている方々のために一日でも早く美しい自然の中にキャビンを造っていきたい一心です。来年の春までに7拠点50棟、3年後には一桁多い500棟くらいの拠点を全国に作っていきたいと考えています。現在、日本で別荘を持っている人は人口の0.5%しかいないといわれていますが、例えば3%=100万世帯ほどの人たちが都市と自然を行き来する生活を送るようになれば、将来的にはセカンドホームがニュースタンダードになる。現在これだけの人々が自然を求めている中で、決して実現出来ない未来じゃないと思っています(福島氏)」

20211105_alfa-0033 サブスク別荘サービス『SANU 2nd Home』。自然の中での暮らしが繋げる、森と人と豊かな未来。

「おかえり」と迎えてくれるこの美しい景色がいつまでも変わらずそこに在るように。そんな祈りにも似た思いで、第2の我が家を後にする。服から微かに香る薪の香りが、頭上に広がる満点の星を思い起こさせた。セカンドホームを窓に、人と自然が共生する社会が今後いかにして拡がっていくのか。今回の滞在で芽生えた新しいライフスタイルへの好奇心と環境への意識を大切に育てながら、少し先の未来を楽しみに待ちたい。

今回登場したクルマ
STELVIO 2.0 TURBO Q4 VELOCE(ステルヴィオ 2.0 ターボ Q4 ヴェローチェ)

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【主要諸元】
全長:4,690mm/全幅:1,905mm/全高:1,680mm/乗車定員:5名/エンジン種類:直列4気筒 マルチエア16バルブ インタークーラー付き ツインスクロールターボ/総排気量:1,995cc/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/最高出力:206kW(280ps)/5,250rpm[ECE]/最大トルク:400N・m(40.8kg・m)/2,250rpm [ECE]/駆動方式:4輪駆動/全国メーカー希望小売価格¥7,200,000(消費税込)
※オプション費用88,000円が別途かかります。
※価格は2021年12月08日現在の価格です。

Alfa Contact
0120-779-159

Text:Misaki Nonaka(NaNo.works)
Photos:大石隼土

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