2023.8.24
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アルファ ロメオ初のプラグインハイブリッド車として8月26日(土)にラインアップに加わることとなる「トナーレ プラグインハイブリッド Q4」。電動化をより押し進めたこのニューモデルを、日々様々なクルマに接しているモータージャーナリストはどう見るのか。第一線で活躍している吉田由美氏、竹岡圭氏、嶋田智之氏の3名に第一印象を聞いてみた。

0824-phev_sptestdrive_001 トナーレ プラグインハイブリッド Q4 プロはどう見る?3名のモータージャーナリストに感想を聞いてみた

カーライフエッセイスト 吉田由美氏
インパクトがあり、映えるボディカラー
乗っている人のことが知りたくなる、お洒落なクルマ

トナーレ プラグインハイブリッド Q4に試乗した印象はいかがでしたか?
「外観はすごく格好いいと思いました。インテリアやメーターなどはシンプルだけど、センスがいい。エレクトロ ビショーネといったユニークな個性が程よくアピールされていて、メーターの表示設定によって1匹でたり、2匹出たりみたいな演出も面白いと思いました。あとボディカラーは私が今回乗ったのがモントリオール グリーンという個性的な色だったこともあって、すごい映えるクルマだなと思いました。全体的にお洒落だし、シートの座り心地や乗り心地も良かったのが印象に残りました」

0824-phev_sptestdrive_002 トナーレ プラグインハイブリッド Q4 プロはどう見る?3名のモータージャーナリストに感想を聞いてみた

ライバルになりそうなクルマはありますか?

「サイズが違うSUVは他ブランドからも出ていますけど、個人的な印象としては、トナーレは競合車に比べてイメージがちょっと違うと思いました。スポーティなSUVの中でも、スポーティさの質が違うというか。トナーレはファッションとしての要素もありつつ、スポーツを楽しむ、みたいな雰囲気でしょうか。例えるなら、登山というよりハイキング、キャンプというよりグランピングみたいな。ちょっとお洒落にファッションとしても楽しめる身近なクルマというイメージかな」

もし、待ち合わせしている男性がこのクルマに乗って現れたら、どんな印象を持ちますか?

「ボディカラーによっても見え方が変わってくると思うんですけど、なんかお洒落なクルマに乗ってるなと、誰しもが思いそうな感じがしますよね。自分のスタイルをしっかり持った人なのかなと思います。流されて買っている感じはまったくなく、積極的に選んだとしか思えませんので(笑)」

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女性が自分で乗るクルマとしてはどう思いますか?

「これ女性が乗ったらカッコイイと思いません? 男の人の方がいろいろ聞きたくなると思う。なんでアルファ ロメオなの? なんでこの色なの? なんでこのクルマにしたの?って。相手がクルマ好きであればあるほど質問攻めに合いそう(笑)」

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ボディカラーについてはいかがですか?

「私が試乗したのは、モントリオール グリーンという色で、ビリジアンというか、濃いめの強いグリーンです。洋服でも強いグリーンを着ている人って、大体お洒落さんが多くて、いまお洒落に見える色ナンバーワンだと思います。クルマでもグリーンのバリエーションって沢山あり、カーキ色やアースカラーなどのくすみ系も多いですが、逆にだからこそ、この強いグリーンを持ってきたところがすごくインパクトあるなと思います。その色に負けないデザインを持っているというところがトナーレの強みではないかと思いますね」

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モータージャーナリスト 竹岡圭氏
親しみやすく身近な存在になったアルファ ロメオ
クルマ好きな方だけでなく、女性にも勧めやすい

トナーレ プラグインハイブリッド Q4を試乗した感想をお願いします。

「このトナーレが出るまで、しばらくの間アルファ ロメオのラインアップにコンパクトサイズのクルマがなかったじゃないですか。だから最初にマイルドハイブリッド車に乗った時から、ボディのサイズ感が非常に良く、アイポイントも高めで、街中の狭い道でも操いやすいクルマだなと思っていたんですけど、今回のトナーレ プラグインハイブリッド Q4はそこにさらに力強さが加わったという印象です。力強いと言っても猛獣のように速いわけではなく、街中をよりスムーズに走ることができ、もっと遠くまでお出掛けしてみたいなと。そういう風に思えるクルマに仕上がっていると感じました」

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女性にも扱いやすいクルマだと思いますか?

「アルファ ロメオってね、女性の中でもブランド認識率は非常に高いと思うんですよ。名前の響きがいいし、エンブレムも格好いいし。アルファ ロメオに乗っている女性を想像した時に、なんか格好いいなと憧れられる独特の雰囲気があるように感じます。でも今まではアルファ ロメオのSUVに興味はあっても、ステルヴィオだとちょっと大きいし……、みたいに思ってしまう人もいたと思うんですけど、トナーレはサイズ的にも乗りやすいので、自分のマイカーとして選びやすく、全般的に女性にも勧めやすいクルマだと思います」

運転席に座った感じはどうでしたか?

「アルファ ロメオのインテリアって、ツヤの出方が独特だと思うんです。個人的には光の魔術師なんじゃないかと思ってるんですけど(笑)。色んな素材を使っているにもかかわらず、光り方にすごく均一性があるというか、色っぽいんですよね。だからちょっとした待ち時間に運転席からインテリアを見渡してうっとりできる。それがアルファ ロメオのすごいところ。一方で、エアコンやオーディオなど運転中によく使うスイッチは、ぱっと手探りで操作しやすい位置にあるから悩むことなく、使いやすい。格好良さと機能性が両立していると思います」

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運転ポジションはいかがでしたか?

「私は身長が159cmなんですけど、シートは上まで上げつつ、前側は下げてというポジションを取った時に、ちゃんと踵が床に付いた状態でペダルに足が届くし、前も見やすくボンネットを見渡しやすい。ハンドルの高さも体からの距離も適切な位置にあるし、すごく運転ポジションが取りやすかったです。まだ調整幅に余裕があったので、私より小柄な人でも十分いけると思います」

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今までPHEVとかハイブリット車に乗ったことがない人にお勧めできるクルマだと思いますか?

「そう思います。ハイブリッド車って回生ブレーキと普通のメカニカルブレーキを協調制御するんですけど、その仕上がりが自然なのでブレーキのフィーリングに違和感がないんですよ。ブレーキに不安があると“ちょっと怖いな”と感じてしまうと思うんですけど、これならクルマにそれほど慣れてない方や、“アルファ ロメオって格好いいよね、ちょっと持ってみたいよね”というビギナーの方が乗っても安心して扱えるのではないかと思います」

モータージャーナリスト 嶋田智之氏
ワインディングでも安定感が高く、クールに速いクルマ
運転次第では走行中にもかなりの充電が可能

トナーレ プラグインハイブリッド Q4に試乗された印象は?

「都内での試乗の数日後に、このクルマで箱根まで走りに行ってきました。箱根に至るまでの高速道路では、乗り心地が良かったことと、バッテリーを極力減らさないように運転すると、思った以上にEV状態での航続距離を稼げることが確認できました。それにEVモードでは最高速度135km/hまで対応しているので、当然ながら高速道路も楽々モーターだけで走れちゃいますね」

ワインディングロードを走った印象はどうでしたか?

「アクセルを踏み込むとバシューンと速度が伸びていき、その加速はとてもスムーズでしたね。どちらかといえばクールにフラットに速度を積み上げていく印象で、体感的には速さを感じにくいのですが、気づくとかなりの速度が出ている。そういう感じでした。ハンドリングには期待通り、近年のアルファ ロメオらしい俊敏さがありましたね。マイルドハイブリッド仕様に乗ったときに感じた、“SUVなのにこんなに曲がっちゃうの!?”という感覚は、トナーレ プラグインハイブリッド Q4にもありました」

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マイルドハイブリッドモデルとの違いはどんなところに感じましたか?

「以前に乗ったマイルドハイブリッドモデルと同じルートを走ったわけではないし、まだしっかり走りに行ったのは一度だけなので完全に理解できてるつもりもないのですが、トナーレ プラグインハイブリッド Q4の場合は、コーナーの立ち上がりでアクセルを踏み込んだ際に、フロントが引っ張られる感覚に加え、リアにもモーターによる駆動力が加わりますので、より安定して素早くコーナーを脱出できるのはたしかです。ハンドリングについても、クルマの動きを深く突き詰めようとすると、特性の違いは出てきますね。端的に言うと、安定して速く走れるトナーレ プラグインハイブリッド Q4か、軽快にして敏捷なところが際立つマイルドハイブリッドモデルか、という感じです。4輪駆動と前輪駆動なので当然といえば当然なのですが。味付けはどちらも上手だと感じるし、走っていて楽しいですよ。どっちがいい悪いじゃなくて、どっちが好きか、でしょうね」

0824-phev_sptestdrive_011 トナーレ プラグインハイブリッド Q4 プロはどう見る?3名のモータージャーナリストに感想を聞いてみた

他に印象に残ったことを教えてください。

「インフォテインメントシステムの中にハイブリッドページという設定項目があって、そこでe-Saveボタンを押したときにバッテリー節約モードにするか、バッテリー充電モードにするかを予め選ぶことができるんです。それをバッテリー充電モードに設定して帰路に着いたのですが、箱根ターンパイクの下り坂(全長約15km)では6%から20%以上にまで充電できました。回生ブレーキ量が多い状態を長引かせる走り方をしたのもありますが、運転次第で走行中にもかなりの充電ができます。その後、高速道路で渋滞にはまってアイドリング中に充電されたことも効いてるのでしょうが、東京に近づく頃にはバッテリー残量は50%を越えていました。資料によると最大80%まで回復可能とのことです。ということを踏まえると、基本的には自宅で充電して走るのが使い方としては正解だと思いますが、クルマとしての楽しさに魅力を感じるなら、充電環境のない中で選ぶのもアリだと思います。僕自身もさらに走り込んでもっと深く理解したいと思いますし、色々な楽しみ方を秘めたクルマだと思います」

0824-phev_sptestdrive_012 トナーレ プラグインハイブリッド Q4 プロはどう見る?3名のモータージャーナリストに感想を聞いてみた
Text: 曽宮岳大
Photo: 望月勇輝(Weekend.)/安井宏充(Weekend.)

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