※当記事は『ENGINE Web』に掲載されている内容を一部改変して転載したものです。
日本中央競馬会(JRA)所属の騎手として活躍しているミルコ・デムーロ氏。2015年にJRAの通年騎手免許を取得すると、いきなり皐月賞と日本ダービーをドゥラメンテで制覇、競馬ファンに鮮烈な印象を与えたジョッキーだ。2019年にはJRA通算1000勝を達成、いまでも勝ち星を積み重ね続けている。一方、デムーロ氏はクルマ好きとしても有名だ。母国イタリアではもちろん、日本で暮らすようになっても、数多くのクルマを乗り継いできた。そんなデムーロ氏にアルファ ロメオの最新SUV、トナーレ プラグインハイブリッド Q4に試乗してもらった。
クルマが大好きなジョッキー
毎週、競走馬でレースを戦っているデムーロ氏は、アルファ ロメオ初のプラグインハイブリッドモデルをどう感じるのか?京都の自宅を訪ねると「おはようございまーす!」と、飛び切りの笑顔でデムーロ氏は現れた。アルファ ロメオの最新モデルに乗れることが本当に嬉しそうである。
運転席に座るとデムーロ氏はドライビングモードを「アドバンスド エフィシェンシー」にした。京都の街中を電気のみで走行する。
「電気だけでも走るクルマを運転するのは、初めてです。とてもスムーズですね。静かなのは当たり前だけど、想像以上にパワーがある。これはいいですね」
目的地は嵐山の峠道。カーナビを設定していることを告げると、デムーロ氏は「ショートカットしてもいい?」と言いながら、細い路地に鼻を向けた。京都に長く住んでいるデムーロ氏。東京から来た私より京都をよく知るイタリア人である。
「ボディの大きさがちょうどいいですね。京都の街中は狭い道が多いけれど、これなら大丈夫。とても運転しやすいです」
嵐山高雄パークウェイに入ると、「スピード出してもいいですか?」との一言とともに、ドライビングモードを「ダイナミック」に変更、デムーロ氏はトナーレ プラグインハイブリッド Q4をイッキに加速させた。
「ウォー!エンジンがかかりました!さっきと全然違う。レスポンスが素晴らしい。やっぱり僕はこっちの方が好き。エンジンに火が入ると、ブァオン!としっかり主張するね。とてもいい音。そこはとってもアルファ ロメオらしいなあ」
騎手にならなかったら、F1パイロットか2輪のGPレーサーになりたかったというデムーロ氏。圧倒的なスピードでコーナーをクリアしていく。それでも怖くならないのは、デムーロ氏の運転スキルが高いからだろう。荷重移動がスムーズだ。
アルファ ロメオはオシャレ
山頂付近の駐車場でトナーレ プラグインハイブリッド Q4をしげしげと眺めるデムーロ氏。
「うん。カッコイイね。さすが、イタリアのクルマ(笑)。まず全体のフォルムだけどバランスがいい。すごく綺麗なスタイリングです。僕、イタリアにいたときにアルファ ロメオ1600スパイダー(1979)に乗っていたんですよ。オープンにしてローマの街や海岸通りを走るのは最高だった。とてもオシャレ。アルファ ロメオは昔からとてもオシャレなブランドですね」
トナーレの顔はアグレッシブでいいねと呟くと、デムーロ氏は京都の街にもこのデザインはよく似合うと続けた。
「京都は古い文化が息づいている街でしょう。そういうところに、このモダンなデザインのトナーレはすごくよく似合う。アルファ ロメオも伝統のあるブランドだから、そういうところがシンクロするのかもしれないね。あと、ここまで乗ってきて思ったのは、このクルマはファミリーにぴったりだということ。オシャレだし大きさも4人家族にちょうどいいんじゃない?」
血統はスポーツカー
ファミリーカーとしての魅力もあると言うデムーロ氏に、スポーツカーとしての印象も聞いた。
「もともとアルファ ロメオの血統はスポーツカー。そこはきちっと受け継がれていると思った。とにかく走りが軽快。操作に対する反応が鋭くて、じれったいところがない。電気のパワーも加わって、アルファ ロメオのスポーティネスが新しい次元になったという感じかな。血統と言えば、競走馬もスタミナがある血統とか、短距離が得意な血統とかがあるんだけど、そういうところはクルマと馬は似ているね」
クルマの運転と馬の騎乗も似ているんでしょうか?
「馬はクルマというよりはバイクに近い。体重移動や手綱の使い方は本当にバイクに似ていると思う。クルマの運転に共通するものがあるとしたら、コーナリングがセンシティブなところかもしれない。馬もクルマも操作の上手下手がハッキリ出る。馬もクルマ同様、コーナリングが得意だったり、そうじゃなかったりと個体差がある。そこもクルマと馬は似ているね」
馬体が小さくても速い馬がいたり、大型でスタミナがある馬がいたりと、本当に競走馬とクルマの世界は似ていると、デムーロ氏は言う。
今日乗ったトナーレ プラグインハイブリッド Q4を馬に例えると?
「もちろん、サラブレッドだね。2018年に大阪杯を勝ったスワーヴリチャードが近いかな。いまはその子供たちが活躍しているよ。トナーレ プラグインハイブリッド Q4が家族のクルマなら、子供たちが喜んで“僕も大きくなったらアルファ ロメオに乗ろう!”って思うんじゃないかな」
馬に跨れば、その良し悪しがわかるというデムーロ氏。アルファ ロメオ トナーレ プラグインハイブリッド Q4の運転席は彼を満足させるものだったようだ。
(出典:ENGINEWEB)
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Text: | 荒井寿彦(ENGINE本誌) |
Photo: | 茂呂幸正 |
Profile
ミルコ・デムーロ
1994年にイタリアでデビュー。95年には見習いリーディングに輝き、97年〜2000年まで4年連続でイタリア・リーディング・ジョッキーとなる。1999年12月4日に日本初騎乗。同日スタジアムブルーで日本での初勝利を挙げる。2001年の小倉大賞典にてミスズシャルダンで重賞初勝利。その後も短期免許で来日するたびに勝ち星を積み重ね、03年の皐月賞ではネオユニヴァースでG1初制覇。続くダービーでも勝利を挙げ、外国人騎手として初めてのダービー騎手となる。天覧競馬として行われた12年の天皇賞・秋ではエイシンフラッシュで優勝。スタンド前で下馬し、天皇・皇后両陛下に最敬礼をしたその姿は競馬史に残るシーンとなっている。 2015年、JRA騎手免許試験に合格し、クリストフ・ルメールとともに外国人として初めてJRA通年免許を取得した。2021年10月30日のアルテミスSではサークルオブライフで勝利し、史上10人目となるJRA重賞通算100勝(うちG1・33勝)を達成した。