2020.2.28
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アルファ ロメオの魅力を語っていただくオーナーインタビュー。今回ご紹介するのはジュリエッタオーナーの坂口さん。アルファ ロメオのおかげで人生が豊かになったと語る坂口さんに、愛車との過ごし方やその魅力について伺った。

Facebookに『アルファ ロメオ友の会~Alfa Romeo Society of JAPAN (ARSJ)~』という、新旧すべてのアルファ ロメオオーナー、愛好家を対象にした交流の場がある。登録数4,600人を超える規模を誇り、その立ち上げと管理人を務めるのが今回お話を伺った坂口和明さんだ。これまで147を3台乗り継ぎ、現在はジュリエッタを所有する生粋のアルフィスタである坂口さん。彼を虜にするアルファ ロメオと『Giulietta(ジュリエッタ)』の魅力について、じっくりと語っていただいた。

蛇に噛まれました

そもそもアルファ ロメオに目覚めたのはいつだったのだろう。坂口さんは、「子供のころからクルマは好きで、アルファ ロメオは知っていました。最初に意識したのは映画『卒業』に出てきたデュエットスパイダーを見て、格好良いなと思ったことでしょうか」と振り返る。
しかし、「スパイダーは自分の乗るクルマではないと思っていました。日本は高温多湿なので、スパイダーに気持ちよく乗ることが出来る日は少ないでしょう」とあくまでも現実的だ。

DSC_6932 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

その後坂口さんは大学を卒業し、結婚。そしてお仕事の関係でアメリカに渡る。クルマも、日本車はもちろんアメリカ車やドイツ車など、ご家族のことを考えながらいくつも乗り継いだ。そして諸事情で奥さまとご子息はアメリカに在住したまま、坂口さんのみ帰国する。
「日本では割と自由にクルマが選べる状況になったので、“さあ何に乗ってやろうか”と思いました。その時に出会ったのが147GTAのヌヴォラホワイトだったのです。そこで“蛇に噛まれ”ました!」と笑いとともに語る。

2020-02-27 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜
▲Alfa Romeo 147GTA(写真協力:FCAジャパン株式会社)

その時の衝撃は相当に凄かったようだ。「あのヌヴォラホワイトの147GTAは特別な存在です。本当に見た瞬間に格好いいな、欲しい、これしかないと思いました」
もともとハッチバックというボディタイプが好みだという坂口さんの条件にも合致した。
しかし、147GTAについて色々調べたところ、「こいつはモンスターマシンだということに気づき、最初に乗るのは無理」と冷静に判断し、まずは前期型の147ツインスパークを購入。

50-3-1741 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜
▲Alfa Romeo 147 Twin Spark(写真協力:FCAジャパン株式会社)

よりテクニックを磨くべくサーキットに通い、プロにドライビングの手ほどきを受け、5年ほど乗ってようやく念願のGTAを手に入れる。残念ながらヌヴォラホワイトがなく、ブラックのGTAだった。しかし数ヶ月乗ったのち、「このモンスターマシンは自分には手が負えないと思い、改めて後期型の147ツインスパークに買い換えました」とのこと。坂口さんはこのツインスパークがとても気に入った。特にエンジンが「よく回るし音も抜群に良いのです。このクルマと長い付き合いをしたいと思っていました」と少し懐かしそうに話してくれた。その後4年ほどしてジュリエッタに買い換えることになった。

奥さまのことを思いジュリエッタに

そのきっかけはご家族だった。いまアメリカに滞在している奥様がもうすぐ帰国するのだ。
「その妻が147を運転するのは無理じゃないかと思ったのです。一度乗せたことがあるのですが少し乗りにくそうにしていましたので、ジュリエッタにしました。実際に試乗したら147よりも乗りやすくなっており、彼女も大丈夫だと判断したのです」。その時にはアルファ ロメオ以外は考えなかったのだろうか。坂口さんは、「全く考えませんでした(ときっぱり)。周りからは蛇の毒が回った男といわれています(笑)」と熱く語る。

DSC_6838-Edit アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

購入したジュリエッタは、「すごく気に入っています。伝統的な素晴らしいハンドリングを残しつつ新しくなっているところが良いですね。ステアリングを切った時にきちんと自分の思ったラインに一発で目指すことが出来るのです。かつそれが普通の実用車のレベルで達成出来ているのが素晴らしいですね。もちろんスポーツカーであればこのシャープさは当然のことでしょうが、実用性も考えたクルマでありながら、このハンドリングも両立出来ているのはアルファ ロメオならではでしょう」と絶賛する。

DSC_6895 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

また、147と同様エンジン音も気に入った。
「加速もすごく良くて、エンジン音も147以上により心地よく感じました。足回りもD.N.AシステムでDを選ぶとビシッとするので、そこも良いですね」とのことだ。

後ろから見た時に、“あ、良いな”と思わせるアルファデザイン

大学では機械工学を専攻した坂口さんなので、冷静にメカニカルな面について話してくれたが、デザインはどう感じているのだろう。「実はカーデザイナーになりたかったのです」と告白。
「メカはロジックなので勉強すれば何とかなりますが、どうにもこうにも(デザインの)センスがなくて(苦笑)」とはいうものの、最近の実用性を兼ね備えたハッチバックのデザインは、「それほど(デザインが)良いと思わないのです。デザイン性と実用性がなぜ両立出来ないのかなと不思議なのですが、アルファ ロメオは147もジュリエッタも両立出来ています。実用的でありながら魅せるデザインをしているところが良いですね」とのこと。

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具体的には、「まずフロントグリルやヘッドライト周りが好きです。8Cを見たときに格好いいなと思い、その後MiToとジュリエッタも同じような形になりましたので、そこがすごく良いですね。147などの細い目も嫌いではありませんが、少し気分を変えてこのタイプのつぶらな瞳がいいな」とその印象を語る。また盾のグリルには歴史とこだわりを感じるそうだ。

DSC_7029-Edit アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

DSC_6839 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

「アルファ ロメオは伝統的にこのグリルを使っていますよね。それをいかに各アルファ ロメオの中に表現していくか。それはとても難しいと思いますが、そこがジュリエッタはすごく上手くいっていると思います」と述べる。

そしてハッチバック好きとしては重要なリア周りだ。
「リアフェンダーの膨らみの辺りを後ろから見るのがとても気に入っています。コンパクトハッチですが、お尻周りのボリュームはしっかりあるところが好きです。またリアフェンダーからフロントに向かって行くラインも良いです。なかなか難しいデザインだと思いますが、少しセクシーな感じが非常に素敵だと感じます」とリアから眺めながら語ってくれた。

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DSC_7018 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

坂口さんは、「後ろから見た時に、あ、いいなと思うのがアルファ ロメオです。一目でアルファ ロメオのどの車種だということも分かりますし、独特のデザインです」とのことだ。また、アルファ ロメオのイメージにもつながるとして、「ドイツ系のクルマとは少し違って自由なイメージがあります。それはデザインもそうで、すごく自由な感じがするのです。あまり既成概念にとらわれず、こうあるべきというようなことがあまりなく思い通りに作られているところに魅力を感じます」と語る。

坂口家とアルファ ロメオ

坂口さんは様々な趣味を持っており、そのひとつが星景写真で、特に天の川をよく撮るという。
「夏は夜10時ぐらいに現地に行って3時ぐらいまで撮り、4時ぐらいには撤収して帰って来ます。もちろんその時にもジュリエッタで行きます。ボディカラーがブラックなのは、光が反射しないように考えてのこと。本当はヌヴォラホワイトが欲しい(実はいま、全塗装も考え中らしい)のですが、白や赤では光が反射して写真に入ってきてしまうので綺麗に撮りにくくなるのです」とこだわりを話す。

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またカメラ3台と三脚など機材も多いが、「ジュリエッタはちょうどいい大きさの荷室ですし、妻はお琴の演奏をやりますので、1m80cmほどあるお琴が入るクルマでないとだめなのです」とジュリエッタの荷室は坂口家のニーズにぴったりと合っている様子だ。

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その奥様も実際にジュリエッタは御覧になったようだ。
「去年のゴールデンウィークに、運転を交代しながら一緒に京都まで行きました。思っていたよりも乗りやすく良かったようです。妻はアメリカでもクルマに乗っていますので、あえて今回も左ハンドルを選びました」とご家族思いの坂口さん。そんな坂口家に今年1月、おめでたい出来事があった。アメリカにいる息子さんに子供が生まれたのだ。つまり、坂口さんはお爺さまになったのだ。そして、「息子のお嫁さんはアメリカでジュリア ヴェローチェに乗っているんです。たぶん僕の影響もあるかな」ととても嬉しそうに教えてくれた。

移動自体が特別、気分がアガル!

ご子息のお嫁さんにまで影響を及ぼすほど、坂口さんを虜にしたアルファ ロメオの魅力は何か。

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「(しばらく考えて)運転して、その乗っている空間が特別なものに感じることではないでしょうか。これまでクルマは移動のためのもので、電車でもクルマでも飛行機でも変わらないという程度の感覚でした。特にアメリカにいるときはクルマがないと生きていけませんし、途中でトラブルに合うと命に関わります。ですから、実用性以外は求めていませんでした。しかし、日本に帰ってきてアルファに最初に乗った時に、すごく特別な感じがしたのです。ハンドルを握った瞬間に、あっ違う、日常ではない空間にいるように思わせてくれるのです」と述べた後、「つまり、移動していること自体が特別な感じになるのです。例えば、旅行に行くのは旅先のアクティビティが目的になりますよね。(アルファ ロメオは)そこに至るまでの移動が、電車や他のクルマで行くのとは違う感じがするのです。星を撮りに行く時も、その星を撮ること自体が目的ではあるのですが、そこに行くまでの気分もとても“アガって”います。夜中に一人でアクアラインを走っている時、気持ちが高揚する瞬間です。これは他のクルマでは味わえない感覚です」と説明。

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ジュリエッタの内装を赤のレザーに指名したのも、「何台か試乗して内装の赤は気分がアガル気になったからです。運転していると外装色は分かりませんが、内装の赤は常に見ていますので気分が盛り上がるのです」とその雰囲気が大事だという。そこにはクルマから伝わってくる音や振動などの魅力も加わる。「それらがすごく大事だなと思うのです。147もジュリエッタもそこは変わらず特別です。ですから乗り続けたいと思っているのです」

アルファ ロメオのおかげで豊かな人生に

アルファ ロメオを購入して坂口さんのライフスタイルにも変化があった。星景写真を撮るようになったのもアルファ ロメオがあるからだった。
「夜、星が綺麗な所を探すと電車では無理な場所ばかりです。駐車場とトイレがあって熊が出ない危なくないところ。そういうところにはクルマでしか行けません。そのように趣味が広がったのです。江戸切子も習っているのですが、そこにもクルマでしか行かない。アルファロメオのおかげで豊かな人生になった気がします」と語る。

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今回、取材にご協力いただいた江戸切子のお店『華硝』さんは、坂口さんが江戸切子を習っているところだ。東京の亀戸と日本橋にお店があり、そこでしか購入することが出来ない華硝さんの江戸切子は、2008年の洞爺湖サミットの贈呈品としてワイングラスが選ばれるなど、多くの国賓向けの贈呈品に選出されている名店だ。今回、坂口さん作の江戸切子を見せていただいたが、いずれはより腕を磨き底面にアルファ ロメオのエンブレムを刻みたいとのことだった。

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▲坂口さん作の江戸切子

さて、坂口さんのクルマ好きは、「父親譲りだと思います。父はとても運転が上手く、どこへ行くにもクルマでした。浅草にお墓があるのですが、父の時と同様、僕もクルマで行っています。そこで、父親とお墓の前でクルマの話をするのです。今日はこんな調子だったとか、ジュリエッタを買った時も報告をしました」と目を細めながら話す。

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そして、「クルマ好きが孫まで受け継いでくれるといいなと思っています。男の子なので今から楽しみ。父が僕にクルマの運転を教えてくれたように、孫にクルマの運転を教えるのが夢ですし、いつか一緒にアルファ ロメオでサーキットにも行けたらと思っています」とのことだった。

最後にジュリエッタで行ってみたいところを伺うと、「白川郷に行ってみたい。合掌造りの建物にアルファ ロメオが合うと思うのです。ここは星が綺麗なので星をバックに合掌造りとクルマを合わせるととても素敵な写真が撮れるかなと思っています。写真が好きなのでクルマと星と風景をいつも撮りたくて、そういう場所を日夜探しています」とのことなのできっと、奥様と一緒に写真を撮りに行く日も近いだろう。そして、将来はお孫さんも一緒に行くに違いない。何せ坂口さんは免許を返納するまでアルファ ロメオに乗り続けると宣言しているのだから。

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▼取材にご協力いただいた『華硝 亀戸本店』

INFORMATION
華硝 亀戸本店

住所 東京都江東区亀戸3-49-21 (製造1F 店舗3F)
TEL 03-3682-2321
URL https://www.edokiriko.co.jp/

DSC_6655 アルファ ロメオ オーナーインタビュー 〜アルファ ロメオは人生を豊かにしてくれるクルマ〜

Text: 内田俊一(Shunichi Uchida)
Photo: 安井宏充(weekend.)

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